明治期の県内政財界で活躍した小林信近(1842~1918年)の功績をたたえる銅像と顕彰碑が28日、愛媛県松山市湊町5丁目の坊っちゃん広場に建立された。小林が経営に携わった企業・団体の関係者らが記念式典を開き、先人の遺業に思いをはせながら、さらなる地域経済への貢献を誓った。
 小林は1878年に第五十二国立銀行(現伊予銀行)、82年に松山商法会議所(現松山商工会議所)を設立し、初代の頭取や会頭に就いた。87年には伊予鉄道会社(現伊予鉄道)を創業し、社長に就任。88年10月28日には現在「坊っちゃん列車」として親しまれる日本初の軽便鉄道の営業を松山―三津間で始めた。
 1901年の伊予水力電気(現四国電力)設立も推進し、海南新聞社(現愛媛新聞社)の社長も務めた。政界でも活躍し、初代県会議長や初代松山市会議長、衆院議員などを歴任した。
 銅像建立は、小林の功績を多くの市民に知ってもらおうと松山商議所が発起。式典で森田浩治会頭(伊予銀相談役)は「小林は松山の近代化に大きく貢献し、発展の礎を築いた。その行動と精神を範として、地方創生を成し遂げたい」と述べた。